良くも悪くも

良くも悪くも、今も昔もあまり成長していないエッセイ。

ツレうつ のこと

つらい。

吐き気が、頭痛が、止まらない。


妊娠でもしたのかと検査薬を試したが、

「ここに何もいませんよ」「余裕の一人だけの体です」

だったので全然関係なかった。


4年程前に高熱が出て、産まれたての鹿状態で泣きながら行った病院で点滴を打って貰って朦朧としていたら、そこの看護士に「もうお昼なんで早く帰ってくれません?」と冷ややかに追い出されて以来、病院が嫌いだ。

だから病院で検査なんてしていないが、するにしても「夕方には吐き気ないんスけどね~、朝がつらいんスぅ~」って、それは検査する方も困るだろう。


そんな最中、映画「ツレがうつになりまして。」を観たら、大号泣してしまった。

当時は、今も変わらないが、「泣けます」「ピュアな恋愛です」映画が苦手で、きっとこの映画もそういうものだろうと観ていなかったのだが、Amazonビデオを漁っていたら何故か急に観たくなった。


いや、きっと本当に苦しんでる方からしたらあの映画も賛否両論あるだろうが、この変な吐き気と頭痛が、これか、ストレスか?と思い当たってしまった。


なにしろ最近仕事のストレスがとてつもない。

顧客の苦情に耐え、上司の八つ当たりに耐え、他部署のあたりの強い対応に耐え、

我慢してたら吐き気と頭痛が止まらなくなった。

そういうことか。


じゃあ、会社辞めたら?

そう簡単に辞められない。というか、辞めたくない。

もういい大人だから次の仕事なんて見つからないし、かといって夫は専業主婦否定派だから、専業主婦にはなれない。


尚且つ、本当に苦しんでる方からしたら私なんかは甘え中の甘えだろう。

テレビ見て、笑って、モリモリご飯食べまくれるから、まだ、頑張れる、と思う。


(星野)源ちゃんの本に、「死にたいと思ったら『おっぱい揉みたい』と口に出せばバカバカしくなる」と書いてあったので、とりあえず有言実行してこよう。

あー、揉みたい。

アレ取ってーのこと

「いやーん、取れない!上のアレ取ってー!」

を、1度でいいから言わせて欲しい。

そして、笑顔で「任せろ」とヒョイと取ってくれるシチュエーション体験が出来る、そんなコンセプトカフェはありませんか。


私が届かない場合、それはもう自力では無理な高さなわけで、そっと脚立を渡されることはあっても、「任せろ」男子は現れない。


「背が高くて羨ましい」

父親が長身だったのを見事に受け継いだ結果、そんなに牛乳は好物ではないのにでかくなった私が初対面の方に100%言われる言葉。


嫌味でも謙遜でもなく、素直に、私は小さな守ってあげたくなるような子になりたかった。

頭を撫でられる事もないし、ましてや壁ドンされても目線が合わないからときめけない。

壁ドン経験なんてないけど。


接客ひとつ取っても、私が寄って行って「何かお探しですか?」と聞くとなかなかの確率でビクッとされた。

ただこの場合は身長ゆえの威圧感かと思っていたが、私がステルスすぎた可能性も否めない。


今ふと、

「背が高くて羨ましいよ」

「いや、守られたいんです。小さい子守りたくなるでしょ」

「分かるけど。そんなの言ったら俺木村拓哉になりたかったもん」

「それ背だけの問題じゃなくなるんですけど」

「そういうそっちは理想像ないの」

「ガッキーです」

「ガッキー背高いだろ」

「顔です」

「身長の話をしろ」

という職場での物凄く不毛な会話を思い出したが、とにかく憧れが強い。


「アレ取ってー」とお願いした時に、静かに脚立を差し出さず、なおかつ笑顔で対応してくれる日はいつですかね。

眉毛のこと

生えない。

うんともすんとも生えてこない。

他に無駄な毛達にはもういいよ、もう疲れたろ、引退してもいいんだよ、と慰めても生えてくるというのに、こやつ…


私が小学〜中学生くらいの頃に所謂アムラー全盛期、細眉に厚底ブーツが物凄く流行った時があった。


元々眉毛もフッサフサに太かった私は、マロ状態になるようにガッツリ剃刀で剃り落とし、そこから本来の眉毛はマロ部分だけでそれ以外は全て描いてきた。

もはや元々の眉毛の形や太さなど思い出すこともできない。


そして、今は太眉ブームらしい。

どうなってんだ、化粧業界、ファッション業界。

私は未だにパンツの事をジーンズって言ってしまう。

パンツって君、「パンツじゃないから恥ずかしくないもん!」のパンツじゃん、いやいや発音が違うからね、とか言われてもおぱんつぃーだよ。

友人が出産するにあたり、赤ちゃん用よだれかけを探しに行ったら、

よだれかけすら今は呼び名が違う事に心底驚いたからね。

驚きすぎてその名前ちょっと忘れたけれども。


とにかく、確かに毎日ゴミ捨てに行くのすら眉毛を書き足さないと常にマロっているから

非常に面倒くさがりの私はナチュラル眉を目指すべきなんだろうと思う。


そして冒頭に戻る。

毎日ちょこんと顔を出していた眉毛も、

「もう剃らないであげるから生えてきていいのよ」

と促したら、どういうことか。

全然生えてこなくなった。

天邪鬼か。私の事がそんなに嫌いか。

先に太い眉毛を嫌ったのは私だけど、その引っ込み思案っぷりを他のムダ毛達に教えてやってくれないか。


恐らくもう数十年、それこそ早ければ来年まで待てばまた細眉ブームが来ることを信じて、これからも私の眉毛はマロっていく。